たけだ内科・消化器内科 睡眠時無呼吸症候群
たけだ内科・消化器内科 睡眠時無呼吸症候群

いびきや日中眠くてたまらないあなた!


夜しっかり寝ているのに、朝起きてもまだ眠くて、だるさが残ってませんか?

次のような症状でお悩みではありませんか?


  • 昼間に眠くて、だるい
  • 睡眠時間は取っているが、熟睡感がない
  • 疲れが取れない、朝に頭痛がある
  • 集中力がない
  • いびき(大音量で不規則ないびき)を指摘される
  • 眠っている間に呼吸が止まっている(数秒~数十秒間停止)
  • 寝ている途中で目が覚める・眠れない
  • 夜中にトイレに行く
  • 高血圧が改善しない

このような症状がある方は、
睡眠時無呼吸症候群 の可能性があります!





① 睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome ; SAS)って?

睡眠中に何度も呼吸が止まる病気です。この状態が頻繁に起こると、睡眠の質が悪くなり、日中の眠気や集中力の低下などが引き起こされることがあります。

ご存じのように睡眠は心と身体を癒す非常に大切な時間です。 睡眠時の無呼吸により呼吸が止まると、脳や全身に酸素が行き渡らなくなり、自律神経の乱れも引き起こし、様々な症状が現れます。



② どういった症状が出るの?

  1. いびき:大きないびきをかくことが多いです。
  2. 呼吸が休む:家族や友達が、あなたの呼吸が止まっていることに気づくことがあります。
  3. 昼間の眠気:夜しっかり眠っているつもりでも、昼間に強い眠気を感じることがあります。居眠り運転に繋がります。
  4. からだのだるさ:熟睡できていないため、朝起きた時に疲れが取れていない感じがあります。
  5. 頭痛:朝起きた時に頭痛を感じることがあります。
  6. 集中力低下やイライラ:睡眠の質が悪いため、脳の休息が十分にできず、日中の集中力が低下します。また感情が不安定になってイライラします。仕事や学業に支障をきたすこともあります。

☆これまで経験した一例
(睡眠時無呼吸症候群とうつ病)

これまで経験した、睡眠時無呼吸症候群の患者さんの中で次のような方がいました。
他院でうつ病と診断され、たくさんの薬を処方されているがあまり良くならない40歳の男性が、偶然私の外来を受診されました。

診察の中で、寝ている間にいびきをかいていると家族に指摘されていることが分かりました。そこでうつ病と診断されているが、実は睡眠時無呼吸症候群によって集中力の低下や倦怠感、意欲の低下が起こっているのではないかと考え、検査を行いました。後で紹介する睡眠時無呼吸症候群の検査で基準を満たしたため、ご本人と相談の上治療を開始しました。 すると、それまでの集中力低下やだるさ、無気力さが一気に改善しました。

このように睡眠時無呼吸症候群の症状はうつ病や自律神経失調症と似ているため、間違われることもあります。ご心配な方は一度当院でご相談ください!



③ どのような検査をしますか?

睡眠時無呼吸症候群の検査は、自宅で簡単にできます。
自宅で専用の機器を装着して眠るだけです。睡眠中の呼吸状態と血液中の酸素レベルを測定します。



④ どんな治療法がありますか?

治療は症状の程度や原因によって違いますが、次のような方法があります。

  1. 生活習慣の改善:

    ダイエット:太りすぎは睡眠時無呼吸症候群を悪化させます。

    アルコールや睡眠薬の制限
    睡眠のためにお酒を飲む人や睡眠薬を使う人がいますが、これらは筋肉を緩めて、無呼吸を悪化させます。

    寝る姿勢:仰向けで寝ると舌がのどに落ち込んで息がしにくくなり、無呼吸になりやすくなります。横向きで寝るほうが良いです。


  2. CPAP(シーパップ;持続陽圧呼吸療法):
    寝ている間に専用のマスクを鼻に装着し、持続的に空気を送り込むことで気道を開け、睡眠中の無呼吸やいびきを減少させ、睡眠の質を改善します。

睡眠時無呼吸症候群は適切な治療を受けることで、生活の質を大きく改善することが可能です。気になる症状があれば、まずは当院でご相談ください。



⑤ こんな効果もあります!

● 血圧が下がるかも!

普通、寝ている間はリラックスする神経(副交感神経)が働きます。でも、無呼吸で酸素が足りない状態になると、体が緊張モード(交感神経)に切り替わり、血圧が上がってしまいます。
睡眠時無呼吸症候群を長く放置しておくと、高血圧や糖尿病、心筋梗塞、脳卒中などの病気になるリスクが高まることが知られています。


● 交通事故のリスクが下がるかも!

睡眠時無呼吸症候群は交通事故のリスクを高める主な要因とされています。
日中の眠気が増すと、運転中の注意力や反応速度が低下します。また運転中に必要な集中力が欠けると、交通信号の変化に遅れたり、周囲の状況に気づきにくくなったりします。
ある研究によると、睡眠時無呼吸症候群の人は、普通の人より交通事故を起こすリスクが2~7倍も高いと言われています。
適切な治療と生活習慣の改善によってリスクを大きく減らすことができます。安全運転のためにも、症状がある場合は早めに対処することが大切です。


☆これまで経験した一例
(睡眠時無呼吸症候群と高血圧)

高血圧で通院中の47歳の男性。複数の降圧剤を内服していましたが、血圧がなかなか下がりきりませんでした。
あるとき、院内に貼っていた睡眠時無呼吸症候群のポスターを見て、自宅での簡易検査を希望されました。検査の結果、睡眠時無呼吸症候群の診断がつき、CPAP治療を開始しました。すると、それまで下がりきらなかった血圧が見事に理想の血圧範囲内に収まり、その後降圧剤も1種類にまで減らすことが出来ました。

このように睡眠時無呼吸症候群の治療を行うことで血圧や、その他の生活習慣病(高脂血症・糖尿病)が改善することもあります。気になる方は一度当院でご相談ください!



⑥ まとめ

日本では睡眠時無呼吸症候群の治療を受けている方は約20万人ですが、実際には、数百万人の患者さんがいると考えられています。

もし『睡眠時無呼吸症候群かな?』と思われたら、まずは当院にご相談ください。
ご自宅での簡易検査(睡眠中に動脈血酸素飽和度SpO2と脈拍数を測定します)で診断が可能です。検査の結果、睡眠時無呼吸症候群と診断された場合は、生活習慣の改善のアドバイスや、CPAP(シーパップ)という機械を使った治療を行います。(保険診療でCPAP療法を導入した場合は、月1回の診察が義務付けられています。)

早く見つかって適切に治療すれば、体への負担が少なくなり、他の病気を防ぐことができます。また薬剤抵抗性の高血圧など、生活習慣病の方も睡眠時無呼吸症候群を治療することで改善することもあります。

ぜひ一度ご相談いただければと思います。




この記事を書いている人
たけだ内科・消化器クリニック 院長 武田翔伍

たけだ内科・消化器クリニック 
院長 武田翔伍


【資格】
医学博士

日本内科学会     総合内科専門医・認定内科医

日本消化器内視鏡学会 消化器内視鏡専門医

日本消化器病学会   消化器病専門医

日本糖尿病協会    糖尿病認定医



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